人権理事会第48回会期(2021年9月13日~10月1日)で発表された、国連恣意的拘禁作業部会の審議結果第12号(自由を剥奪された女性)(Deliberation No.12 Woman deprived of their liberty)の原文と日本語訳です。

Deliberation No.12 Woman deprived of their liberty(原文・英語)※外部リンク

審議結果12号 自由を剥奪された女性(恣意的拘禁ネットワーク・日本語訳PDF)


(恣意的拘禁ネットワーク日本語訳)

A/HRC/48/55, Annex.

審議結果12号 自由を剥奪された女性

Deliberation No.12 Woman deprived of their liberty

I. はじめに

1.  「女性被拘禁者の処遇及び女性犯罪者の非拘禁措置に関する国連規則」(バンコク・ルールズ)10周年を迎え、本作業部会は、自由を剥奪された女性[1]が直面する特有の課題について検討、考察する好機であると考える。

2.  バンコク・ルールズは、女性犯罪者の拘禁に対する非拘束的代替措置と女性受刑者の拘禁条件双方との関連で、刑事司法制度に接する女性のジェンダー固有のニーズに対処しようとするものである。

3.  遺憾ながら、このような国際基準[2]に含まれる規範と、自由を奪われた女性の経験との間には、依然として大きな実施上のギャップがある。作業部会は、女性が、特に、性別やジェンダーを直接・間接的理由として拘禁され、ジェンダー特有のニーズが考慮されない状況において、人権を侵害され、恣意的に自由を奪われ続けていることを引き続き懸念する。

4.  近年、作業部会の任務に対する女性の関与が高まっているが[3]、作業部会の意見における女性の割合は依然として低いままである。2019年現在、作業部会設置以来、作業部会の意見で状況が検討された個人のうち、女性として識別可能なものはわずか8%である。作業部会は、女性およびその他の利害関係者が、女性の恣意的な自由の剥奪に関する状況について、引き続き、適宜、作業部会の注意を喚起するよう要請する。

5.  本審議結果は、恣意的拘禁のジェンダーに特化した側面を考察し、国や他の利害関係者が、刑事司法制度、移民拘禁、行政拘禁、医療の場面、特定の私的状況における女性の恣意的拘禁を防止し、対処することを支援するための指針を提供する。

6.  本審議結果は、すべての女性が同じように自由の剥奪を経験するわけではないことを認識し、したがって、障害のある女性、高齢の女性、先住民の女性、極度の貧困の影響を受ける女性、ホームレスの女性、女性セックスワーカー、薬物を使用する女性、移民、庇護希望者、難民を含む外国人女性、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダーが多様な女性、インターセックスの人[4]、女性人権擁護者・活動家、民族的又は種族的、文化的、宗教的又は言語的少数派に属する女性などを含む、すでに不利益を経験している女性の異なる経験を考慮する必要があることを認識する。特に、作業部会は、複合的かつ交差する形態の差別を経験する女性は、自由を剥奪される危険性が高いことを想起する[5]

II. 拘禁の代替手段

7.  女性は刑務所人口の少数派であるが、世界では女性の刑務所人口がかなり増加しており[6]、男性のそれに対して相当不均衡な割合で増加している。この20年間で、刑務所における女性と少女の数は、約53%増加し、一方、男性の数は約20%増加している。

8.  国際人権法によれば、個人の自由が原則であり、拘禁はむしろ例外であるべきである[7]。国家は、女性のためにジェンダーに配慮した拘禁の代替手段を検討し[8]、その代替手段を女性が男性と同等に利用できるようにすべきである[9]。拘禁の合法性に異議を申し立てる権利は、拘禁の代替手段を求める権利を含め、女性が自由を奪われるすべての状況において、女性に等しく属するものである。この権利を実現するためには、女性が逮捕直後を含む拘禁中のいかなるときにも、自ら選択した法的支援を受ける権利について知らされ、その権利を与えられることが不可欠である[10]

9.  国家は、刑事司法プロセスのすべての段階において、ダイバージョン、公判前、判決の代替手段を含む非拘束的措置の利用可能性を確保するべきである。法の下の平等の権利は、司法がジェンダーに配慮し、ジェンダーに基づく暴力の歴史、女性がもちうる世話・介護を行う責任、その他の複合的な脆弱性を含む女性の犯罪に関連しうる文脈的要因に盲目にならないことを求める[11]。妊娠中の女性や扶養家族のいる女性に対する非拘禁的判決は、子どもの最善の利益を第一に考慮し、適切な場合には優先されるべきである[12]。拘禁の代替手段についても、非差別的に利用できなければならない。例えば、電子監視装置(ブレスレットやタグ付けなど)は公的資金で賄われ、その代替手段に対する支払い能力に関係なく、すべての女性が利用できるようにしなければならない[13]

10.  国家は、入国管理局における拘禁に代わる方法についても検討しなければならない。これには、当局への定期的な報告、地域社会に根ざした解決策、保釈やその他の担保措置に基づく釈放、オープンセンターまたは指定場所での滞在などの措置が含まれうる[14]。国家は、そのような措置がそれ自体差別的なものではなく、また、過剰な保証金の額など、女性の移民、難民、庇護希望者[15]にとって解放を実行不能またはアクセス不能にする条件と組み合わせないよう確保しなければならない[16]。同様に、精神障害、知的障害、その他の障害を含む障害を持つ女性に対しては、施設収容ではなく、拘禁の代替手段、特に地域社会におけるケアの提供を優先すべきである[17]

11.  特に、拘禁が女性とその子どもを不必要に引き離すことにならないようにするための措置を検討すべきである[18]。なぜなら、これが、家族の保護の権利[19]と子どもの意思に反して親から引き離されない権利[20]を侵害する可能性があるからである。

III. 差別的理由による女性の自由の剥奪

12.  作業部会は、自由の剥奪が、出生、国籍、種族的もしくは社会的出身、言語、宗教、経済状況、政治的その他の意見、ジェンダー、性的指向、障害、又はその他の地位に基づく差別として国際法違反を構成し、人間の平等を無視することを目的とするか又は結果になり得る場合には、恣意的なものとみなしている[21]。これらの禁止された差別事由は、非網羅的である[22]

13.  したがって、性別を理由とする女性の逮捕・拘禁は、明らかに差別的であり、世界人権宣言第2条、7条、市民的及び政治的権利に関する国際規約(「規約」)第2条1、3条、26条に違反し、恣意的拘禁を構成する[23]

14.  女性は、複数の、交差する形態の差別を経験することが多いため[24]、差別的理由に基づいて逮捕または拘禁されることに対して特に脆弱である可能性がある[25]。国家は、少女、精神・知的障害を含む障害のある女性、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーの女性およびインターセックスの人々、移民、難民、庇護希望者、国内避難民、無国籍女性、人身売買された女性、人身売買される恐れのある女性を含む外国人、犯罪で告発された、または有罪判決を受けた女性、テロ行為の準備、実行、扇動に関与した、またはその疑いのある女性、薬物使用の女性、認知症の女性、女性の人権擁護者と活動家、高齢女性、HIV/エイズやその他の深刻な伝染病または慢性疾患を抱えて生きる女性、先住民族の女性、セックスワーカー、民族又は種族的、文化・宗教及び言語的アイデンティティに基づいて少数者とされ、従来のジェンダーに対する固定観念と規範に違反するとして標的にされた女性(例:名誉に関わる犯罪)を含むがこれらに限定されない[26]、恣意的拘禁につながりうる特定の差別に直面した女性の状況に対処し、考慮しなければならない。

15.  女性が差別的理由に基づいて恣意的に拘禁されたかどうかを判断する際、考慮すべき関連要素には、以下のものが含まれうる。

(a) 自由の剥奪が、拘禁された女性に対する迫害方法の一部であったこと(例:女性が、過去に拘禁、暴力行為または脅迫を受け何度も標的とされた)[27]

(b) 類似の識別特性を有する他の者も迫害されていること。

(c) 当局が、拘禁されている女性に対して、差別的な態度を示すような発言または振る舞いをしたこと(例:女性被拘禁者がレイプの脅迫を受けた、処女検査を強制された)[28]

(d) 当局が差別的理由で、または人権行使を妨げるために女性を拘禁したことを示唆する状況(例:政治的意見を表明した後に拘禁された女性の人権擁護者)[29]

(e) 女性が拘禁された理由とされる行為が、その女性の集団の構成員にとってのみ犯罪であること(例:中絶の犯罪化)[30]

16. 差別的な理由による拘禁の禁止は、法律上のもの(de jure)と事実上のもの(de facto)の両方の差別を含む。

17.  女性は、性別やジェンダーに関連して女性を直接標的とする法律、伝統的な性別の固定観念や規範に基づく法律を含め、女性にのみまたは女性に不均衡な影響を与える法律など、事実上の(de jure)差別的な法律に基づいて自由を奪われてはならない[31]。さらに、男性によって行われた場合には犯罪とされなかったり、それほど厳しく罰せられなかったりする行動形態や、女性によってのみ行われ得る行動形態を犯罪とする法律は、明らかに差別的である[32]。これには、中絶などの性と生殖に関する健康と権利(reproductive rights)の行使に関連する犯罪や、姦通や売春などの特定の性犯罪や「名誉」関連の犯罪が含まれる[33]。状況によっては、差別的な法律により拘禁されることは、その法律が国際人権基準に違反し、その結果、拘禁が法的根拠を欠くという理由で、恣意的拘禁となる場合がある[34]

18.  国家は早急に法的枠組みを見直し、女性の差別的な自由の剥奪につながるそのような法律を改正または廃止しなければならない[35]

19.  国家は、女性が自由の剥奪につながる事実上の(de facto)差別を受けないよう確保しなければならない。法律、政策、慣行は、女性が、その性別やジェンダーを直接的または間接的理由として自由を奪われる結果や効果を有する方法で適用されてはならない[36]。したがって、国家は、女性に対する差別とならないよう法律、起訴方法、逮捕方法、プロファイリング方法を検証すべきである。例えば、表向きはジェンダー中立的な法律が、女性に不均衡な影響を与える方法で適用または強制されたり[37]、性別、ジェンダーやその他の保護特性を理由に特定の女性を標的にしたりプロファイルしてはならない[38]。さらに、国家は刑事司法制度における女性のジェンダー・ステレオタイプを排除するための措置を講じ、女性がジェンダー・ステレオタイプへの不適合や有害で家父長的な文化規範を理由として拘禁されないよう確保しなければならない[39]

20.  差別禁止は、女性の実質的平等を達成するために積極的な措置をとることを国家に求める[40]。さらに、国家は、恣意的な自由の剥奪の危険にさらされる可能性のある女性に対して、さらなる保護を提供するための措置を講じなければならない。国家がそのような措置を取らないこと自体が、差別となり、恣意的な自由の剥奪につながる可能性がある。

IV. 拘禁の条件

21.  作業部会は、すべての国家に対し、バンコク・ルールズとネルソン・マンデラ・ルールズの完全な遵守を実施するよう求める。この目的のために、国家は、公判前の拘禁施設や有罪判決を受けた女性のための刑務所を含め、女性の被拘禁者を収容するための専用の適切な拘禁施設が利用可能であることを確保しなければならない。

22.  過密状態、不衛生な環境、食料と水の不足、不十分な医療、家族や支援ネットワークとの接触の制限など、劣悪で、しばしば非人道的な拘禁条件が世界中で報告されており、女性にも男性にも影響を与えている。作業部会は、特定の状況下では、拘禁の条件は、武器対等と公正な裁判を受ける権利に違反し、女性が拘禁の合法性に異議を唱え、自身の弁護に参加する能力に深刻かつ悪影響を及ぼす可能性があると考える[41]。さらに、このような拘禁状態は国際人権法に反しており、拷問や残虐、非人道的または品位を傷つける取り扱いや刑罰の問題を提起している[42]

23.  作業部会は、女性がその性又はジェンダーに基づき拘禁状態に関連する追加的かつ異なる障害を経験することを認識している。この点で、下記のものを含む、女性の拘禁条件に関して懸念される多くの繰り返し発生する問題が、作業部会の注意を引く。

(a) 女性被拘禁者に対する拷問または残虐、非人道的もしくは品位を傷つける取り扱い[43]。取調べや拘禁中のレイプや性的暴行(およびその脅迫)を含む[44]

(b)  女性被拘禁者専用の収容施設がなく[45]、女性被拘禁者と男性被拘禁者に別々の施設を提供できていないこと[46]

(c) 入国管理施設における女性と子供の分離[47]

(d)  女性の衛生ニーズを尊重しないこと。女性のプライバシーを保護しない不十分な施設や[48]、個人の衛生用品を提供しないことを含む[49]

(e)  不十分な心身の健康管理[50]。女性特有の健康ニーズを考慮せず、女性や子どもに十分な産前産後のケアや治療を提供しないことを含む[51]

(f)  嫌がらせ、脅迫、女性のプライバシーへの不必要な侵入、および/または女性の尊厳や身体的自律性、完全性、安全性を侵害するために利用される検査[52]

(g)  職員や被拘禁者からの嫌がらせや虐待からの女性保護や調査の怠慢[53]

V. 特に懸念される分野

女性の拘禁の交差性と原因

24.  女性は、単に性別やジェンダーだけでなく、他の交差する要因と本質的に結びついた差別により、刑事司法制度と接する可能性が高められ、収監の可能性と期間に影響を与えうるため、恣意的拘禁の危険にさらされる[54]

25.  窃盗、詐欺、借金の返済不能、ホームレスや貧しい生活環境に関連するその他の犯罪など、貧困に関連する犯罪による女性の不均衡な収監は[55]、経済状況やその他の地位に基づく差別を構成する。国家は、貧困の中で生きる女性を差別的に拘禁する結果となる法律、政策、慣行を廃止または修正し[56]、貧困の中で生きる女性がプロファイルされ、また拘禁の標的とされないよう確保しなければならない。

26.  女性の貧困はまた、公正な裁判を受ける権利を侵害する可能性のある適正手続きと手続上の保護措置の欠如をもたらしうる。国家は、十分な手段を持たない女性が、無償で効果的な法的代理人を利用できるよう確保しなければならない[57]。さらに、女性は、特に軽微な犯罪(low-level offences)に関して保釈金を払えないこと[58]、罰金を払えないこと[59]、行政や入国管理局での拘禁に関して保証金を払えないことだけを理由に、公判前拘留において収監されてはならない[60]。特に、国家は、保釈金、保証金、罰金の設定において、女性の収入と支払い能力が考慮されるよう確保する措置を実施するべきであり、その金額は女性の出頭確保や地域社会を守るために必要なものに限定される[61]。さらに、女性の社会的・教育的地位の低さは、場合によっては、女性の公正な裁判の権利の侵害につながるかもしれない(例えば、女性は嫌疑や法的手続きを理解する可能性が低いかもしれず、また社会的地位や男性家族が彼女らの代理で行動することにより、弁護人から適切に助言を受ける可能性が低いかもしれない)。

27.  作業部会は、貧困を経験している女性[62]や女性セックスワーカー[63]にしばしば適用される、徘徊、浮浪、公的不法妨害、公然わいせつなどの公序良俗違反の差別的適用を懸念する。そのような法律が法的安定性の原則に反するほど曖昧であったり広範であったりする限りにおいて、そのような法律に基づく女性の拘禁は法的根拠を欠き、したがって恣意的拘禁となりうる[64]

28.  これに関連して、女性のセックスワーカーは頻繁に法執行機関の標的となり、恣意的な逮捕や拘禁を受けるが、これは究極的には、女性の道徳とセクシュアリティの社会統制に基く[65]。セックスワークを直接犯罪化したり、浮浪罪などの公序良俗違反で間接的に標的にすることは、差別的であり、国際法に違反する[66]。国家は、セックスワークを直接または実質的に犯罪とする法律を廃止し、セックスワークに関連して女性を標的にし、逮捕、拘禁するあらゆる実行を止めなければならない[67]

29.  薬物統制法及び政策の結果としての刑事上及び行政上の拘禁は、女性に不均衡な影響を与え[68]、恣意的拘禁になりうる[69]。女性は薬物関連犯罪での収監率が高く、男性受刑者のわずか19%に対し、女性受刑者の約35%が薬物犯罪で収監されている[70]。薬物犯罪に関連して女性が刑事司法制度と関わりを持つ原因は複雑であり、貧困や強制など他の要因と関連することが多く[71]、また、より広く社会における体系的なジェンダーの不平等を反映している可能性もある。

性と生殖に関する健康(reproductive health) に関連する女性の拘禁

30.  作業部会は、女性の基本的な性と生殖に関する権利の行使に関連して女性を拘禁する慣行が続いていることを大変懸念する。

31.  女性にしかできない行動の形態を犯罪化することは明らかに差別的である。したがって、到達可能な最高水準の健康へのアクセスと享受の欠如の結果に関連する行為を犯罪化する法律、または女性の性と生殖に関する権利の行使を犯罪化する法律は明らかに差別的なものと見なされなければならない[72]

32.  多くの国家は、女性が妊娠中絶のための安全なサービスを利用することを禁止または厳しく制限し続け、中絶手術を求め、または受けることについて、例外や情状酌量の余地なく、女性を刑事責任やそれに伴う拘禁にさらしている[73]。このような法律は、ジェンダー・ステレオタイプを反映し、女性の身体を道具化し、事実上、社会化されたジェンダーの役割と期待に反する行為について女性を罰するものである[74]

33.  女性の中絶へのアクセスを犯罪化または厳しく制限する法律は、明白な差別であるだけでなく、ジェンダーに基づく暴力[75]を構成する可能性があり、女性の生命に対する権利[76]や拷問または残虐、非人道的もしくは品位を傷つける取り扱いの禁止を含む国際人権法の他の多くの規定に違反する可能性がある[77]

34. 作業部会は、一部の国や地域において、産科救急を経る女性を犯罪者とする慣行について特に懸念する[78]。流産やその他の妊娠合併症で胎児が死亡することを犯罪とする法律は、明らかに差別的であり、女性がしばしば自分の命よりも妊娠から生じる潜在的な命を優先させることを期待されるという制度的なジェンダー差別を反映している[79]。このような状況での女性の拘禁は、不必要であり、不均衡であり、正当な目的を果たさない[80]。産科救急は、緊急に適切な身体・精神的医療が女性に提供される、医学的緊急事態として扱われるべきである。

35.  産科救急に関連する女性の拘禁は、女性が到達可能な最高水準の健康にアクセスし、これを享受する能力を取り巻く構造的問題を反映している。特に、中絶禁止の法律と政策は、疎外され不利な立場にある女性、特に貧困にあえぐ女性に不均衡な影響を与え[81]、生殖医療を含む必要な医療を受けることができない経済的に不利な女性に対する根深い差別を反映している[82]

36.  さらに、このような状況での女性の拘禁は、適正手続きの欠如を伴うことが多く[83]、女性は、有効な法的支援の欠如[84]、緊急ケアを求める女性から自白を引き出す行為などの異常な証拠収集[85]、女性の役割に関する固定観念に基づく性差のレンズ(gendered lens)を通した証拠評価など、手続的権利の体系的侵害を被っている[86]

37.  作業部会は、妊婦または出産したばかりの女性を拘禁する結果となる他の法律、政策、慣行についても懸念する。妊婦は、病院への移動、婦人科検診、出産の際に、手かせ・足かせやその他の方法で拘束されてはならない[87]。医療費を支払えないことを理由に、出産後の女性とその生まれたばかりの子どもを公立・私立の医療施設に拘禁することになる法律、政策、慣行は[88]、明らかに差別的であり、恣意的な自由の剥奪になりうる。さらに、薬物乱用の疑いのある妊婦の監禁と強制的な治療を認める民法も、女性の妊娠、したがってそのジェンダーが自由の剥奪につながる要因であるという点で、明らかに差別的なものである[89]。このような状況での女性の拘禁は、任意で行われ、十分な適正手続きの保障を伴わなければならない[90]

38.  最後に、国家は、性的および生殖的な健康に対する女性の権利が、拘禁期間中も尊重され保障されるよう確保しなければならない。女性は、行政拘禁や医療施設での拘禁を含め[91]、拘禁中に強制不妊手術を受けてはならず、またそのような扱いを強制的に実施する目的で拘禁されてはならない。

LGBTIQ+の人々の拘禁

39.  レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィアの女性やインターセックスの人々は、単に性的指向や性自認、表現を理由として恣意的な逮捕や拘禁の対象となり続けている。さらに、自由を奪われた場合、LGBTIQ+の人々は、暴力、性的虐待、その他の人権侵害の大きなリスクにさらされている。

40.  実際のまたは認識された性的指向または性自認に基づくものを含む差別的な理由に基づく個人の逮捕または拘禁は、国際法上それ自体恣意的であり、規約の第2条1、3条、26条および世界人権宣言第2条及び7条に違反する[92]

41. 同意のある成人同士の性的関係や、異性装や異性に似せることを禁止する法律など、人の性自認や表現を犯罪化することは[93]、明白な差別であり、規約第17条および世界人権宣言第12条に違反する個人のプライバシーへの恣意的干渉となる[94]。したがって、このような法律に基づくLGBTIQ+の人々の逮捕と拘禁は、性的指向や性自認に基づく差別を理由とする国際法違反となるため恣意的であるだけでなく[95]、このような法律は規約と世界人権宣言に基づく国家の義務に違反し、そのような拘禁に法的根拠がないという理由でも恣意的である[96]

42.  さらに、道徳、放蕩、自然の秩序に反する犯罪、公然または重大な不祥事、わいせつ行為犯罪に関連して[97]、性的指向や性自認に基づいてLGBTIQ+の人々を逮捕・拘禁することも同様に差別的であり、国際法に違反する[98]

43.  国家は、そのような刑法を早急に見直し、LGBTIQ+コミュニティを差別する条項を国際基準に沿うよう修正または廃止しなければならない[99]

44.  「矯正療法」または「転向療法」のような行為や、他の形態の侵入的で不可逆的な治療が、本人の同意なく、人権を侵害しながら、LGBTIQ+の人々に強制的に行われ続けている[100]。LGBTIQ+の人々は、病院、精神科施設、専門施設、礼拝所、または自宅などの私的および公的施設において、そのような療法を強制的に行う目的で拘禁されてはならない[101]

45.  LGBTIQ+の人々は、自由を奪われたときに、国際人権法に反する差別、暴力、拷問や虐待の危険に特にさらされる[102]。作業部会は、拘禁中のLGBTIQ+の人々に対する不均衡で組織的なジェンダーに基づく暴力と虐待、特にレズビアンの被拘禁者に対する「矯正レイプ」を含むLGBTIQ+の人々に対する性的暴力の極めて高い広がりについての継続的報告に懸念を抱いている[103]。これらの条件が、拷問または残虐、非人道的もしくは品位を傷つける扱いの禁止に反し、懲罰、自白の強要または LGBTIQ+の人々に対するさらなる差別を目的として用いられている限り、これらの人々の拘禁は恣意的である[104]

46.  国家は、拘禁されているLGBTIQ+の人々の権利を保護するため、また、適切なジェンダーに応じた拘禁条件を確立することを含め、彼らの具体的また固有のニーズに対応するための措置を講じなければならない[105]

47.  トランスジェンダーの女性は、性的暴行やレイプのリスクが高まることに留意し、自動的に男性の刑務所に入れられるべきではない[106]。LGBTIQ+の人々が置かれる施設は、各個人の性自認と性表現を十分に考慮し[107]、バンコク・ルールズの規定に従って、ケースバイケースで決定されるべきである。

移民、庇護希望者、難民を含む外国人の拘禁

48.  作業部会は、国家は、国籍や無国籍にかかわらず、その領域内にある、またはその管轄に服するすべての人の人身の自由に対する権利を含む権利を尊重し確保する義務があることを改めて指摘する[108]。したがって、国家は、自国の領土内で、または自国の権限もしくは実効的支配の下において、移民、庇護希望者及び難民を含む外国人女性が恣意的に自由を奪われないことを確保する義務を有する。これには、公認センターか非公認センターかにかかわらず、入国管理局での女性外国人の行政拘禁が含まれる。

49.  移住の文脈におけるあらゆる自由の剥奪は、規約第9条に規定された基準を満たさなければならない。特に、女性移民の行政拘禁は、最後の手段としての例外的措置でなければならず、より制限の少ない代替手段が検討され、これが正当な目的を達するのに不十分である場合にのみ、最短の期間で適用される[109]

50.  移住手続きの過程における拘禁は、個々のケースに特有の状況に照らして、合理的、必要、かつ比例的なものとして正当化されなければならない[110]。したがって、移民女性の拘禁は、拘禁の必要性に関する実効的な個別評価に照らして行われなければならず[111]、国家は拘禁の代替手段を真剣に検討しなければならない[112]

51.  妊娠中または授乳中の女性外国人の拘禁は回避されなければならない[113]。移民女性が子供を同伴している場合、国家は、個々の事案において、家族全体のための拘禁の代替策を検討しなければならない[114]。特に、子どもは、親の滞在資格を理由に拘禁されることはなく[115]、親から引き離されるべきではないからである[116]

52.  作業部会は、特に、女性の庇護希望者と難民が、日常的に、彼女らの主張に関する決定が出るまでの長期間、自由を奪われていることを懸念する。行政や司法による審査や救済の可能性のない、女性の庇護希望者、移民、難民の長期にわたる行政上の拘留は、恣意的拘禁を構成する[117]

53.  特に入国管理局での拘禁が長期に及ぶことを考慮し、作業部会は、入国管理局での条件が女性被拘禁者のジェンダー固有のニーズに対応することを確保する国家の義務を再度指摘する[118]。特に、女性外国人は、家族の一員でない限り、男性と分離されるべきである[119]

女性人権擁護活動家

54.  人権擁護者は、世界人権宣言第18条、19条、20条及び21条並びに規約第18条、19条、21条、22条及び25条1に基づく基本的権利の行使の結果として自由を剥奪されることがしばしばある。さらに、人権擁護者は、カテゴリーVとして、個人が差別的な理由で拘禁されたかどうかを判断するための独自の保護される類に属することが想起される[120]

55.  作業部会は、女性の人権活動家を含む女性の人権擁護者に関連して頻繁に寄せられる申立てに重大な懸念を抱いている[121]。多くの事案において、女性が平和的な主張、デモなどの人権擁護者としての活動を理由に標的にされていることは明らかである[122]

56.  作業部会は、女性の人権擁護者は性差による、かつ交差的なリスクに直面していると考える[123]。実際、作業部会が受け取った多くの申立ては、女性の人権擁護者が、嫌がらせ[124]、性差別的な攻撃[125]、拷問や性的暴行の脅迫[126]、処女検査を受けることの要求[127]、施設収容やその脅迫[128]、公における恥辱を受けてきたことを主張する[129]。作業部会は、国家は、女性人権擁護者が、過度または無差別な実力行使、恣意的な逮捕または拘禁、拷問またはその他の残虐、非人道的または品位を傷つける取り扱いまたは刑罰、強制失踪、刑事および民事手続の乱用またはそれらの行為の威嚇を受けないことを確保するなど、国際人権法に従ってその重要な役割を果たせるようにしなければならないと再度指摘する[130]

政治・公共活動における女性

57.  作業部会は、公職に就いている、または就こうとする女性や、公に政府を批判した、または反対グループの構成員である女性を標的にするなど、女性の政治・公的生活への参加に関して受けた恣意的な自由の剥奪の申立てについて懸念する[131]。このような状況において、恣意的な自由の剥奪は、女性による政治的・公的生活への完全な参加とその人権の享受に対する直接的な攻撃であるだけでなく、より広く女性のパブリック・ディスコースへの参加を妨げ、女性の声を周辺化する可能性がある。

58.  公務に参加する権利は、世界人権宣言の第21条と規約の第25条に規定されている[132]。これらの権利は、世界人権宣言第19条および第20条ならびに規約第19条、21条および22条に基づく表現、平和的集会および結社の自由の権利によってさらに強化される。この点に関して、作業部会は、政府に対する批判は民主主義社会では許され、意見及び表現の自由によって保護されることを想起する[133]

59.  女性が前述の権利行使の結果として逮捕・拘禁された場合、又は女性が性別、ジェンダー、政治的意見、その他の意見といった差別的理由に基づき拘禁された場合、その自由の剥奪は、作業部会の作業方法のカテゴリーII及びVを含め、恣意的とみなされる可能性がある。

私的主体による自由の剥奪

60.  作業部会は、刑事手続目的の自由の剥奪だけでなく、行政や他の法分野におけるものなど、あらゆる形態の自由の剥奪を検討することを何度も確認してきた[134]。作業部会は、個人の自由の剥奪は、自宅軟禁を含め、その人の自由な同意なく拘束されている場合に生じることを想起したい[135]。自由の剥奪は、私的主体の行為から生じることもある。

61.  国家は、国家機関やその代理人など、自国を代表して行動する者が個人の自由に対する権利を侵害しないことを確保する義務を負うだけでなく、自国の領土内またはその管轄下にあるすべての人を私人によるこの権利の侵害から保護する積極的な義務、およびこのような侵害を調査および処罰する義務、被害者が有効な救済を受けられるよう確保する義務を負っている[136]。作業部会は、国家と非国家双方の行為に関連して、すべての女性の人身の自由に対する権利が尊重されるよう確保することを国家に求める。

62.  後見人法、慣習、社会的慣行により、女性が後見人の許可なしにその実家を離れることができない場合、家族による事実上の自由の剥奪となることがある[137]。これは、規約第12条、26条、世界人権宣言第7条、13条のいずれにも違反し、性別やジェンダーに基づく差別となる。作業部会は、各国に対し、後見制度を直ちに廃止するよう求める。

63.  家事労働者として雇用されている住居から出ることを妨げられる移民女性は、事実上の自由の剥奪にさらされる[138]。作業部会は、雇用主が、従業員が退職しないように、パスポートを含む書類や給与を提供しなかったという信頼できる報告を受けている。使用者が、労働者に対する支配力を行使する方法として、結果として国家当局による労働者の逮捕や拘禁につながる可能性がある逃亡の虚偽の告発を用いていると報告されている[139]。作業部会は国家に対し、すべての移民が自ら希望すれば雇用主のもとを自由に去ることができるようにすることを求める。

64.  人身売買、奴隷制、および奴隷のような行為にさらされる女性は、規約第9条および世界人権宣言第3条で保障されている自由の剥奪を含む、私的主体による多くの人権侵害にさらされる[140]

65.  作業部会は、私的主体が国によって逮捕または拘禁の権限を行使する権限を与えられまたは認められている場合、国際人権法の下で私的主体の行為に対して当該国が引き続き責任を負うことを想起する[141]

「名誉」に関連する自由の剥奪

66.  ジェンダー中立的な法律や政策に基づく女性の逮捕・拘禁は、それが女性に不当に適用される場合、または男性よりも女性に厳しい判決をもたらす場合、平等と非差別の権利の侵害となりうる。これには、姦通や婚外性行為などの「名誉」関連の犯罪も含まれる[142]。さらに、国家の刑法に見られる「名誉」関連の犯罪は、それがジェンダー中立的ではなく、女性を特に差別したり、標的にしたりするものであれば、国際人権法違反となりうる。作業部会は、これらのカテゴリーのいずれかに該当する法律や政策、すなわちすべての「名誉に基づく」犯罪は非犯罪化されなければならないと考える。

67.  国家の刑法で犯罪とされていない「名誉」に基づく行為に関連して女性を拘禁することは、法的根拠を欠き、恣意的拘禁に当たる[143]

68.  国家は、証拠規則や手続きが、実際に女性を差別するものでないよう確保すべきである[144]。ジェンダー・ステレオタイプに影響された、または「名誉」関連の犯罪との関連で女性が無実を証明する際に不均衡な負担をかける法律や裏付けの要件は、差別的であり、無罪推定の否定にあたりうる[145]。強姦などの犯罪行為の被害者である女性は(刑事裁判において必要な水準で証明されたか否かにかかわらず)、「名誉」関連の行為を行ったという理由で、そのような行為に関連して起訴・拘禁されてはならない[146]

保護留置(Protective custody)

69.  女性の保護のために行政拘禁やいわゆる「保護留置」を行うことは、恣意的拘禁にあたり、拷問や虐待にあたりうる[147]。これには、「名誉」に基づく犯罪に関連するものを含むジェンダーに基づく暴力から女性を守るための拘禁や、女性が法廷で犯罪者に不利な証言をすることを確保しようとする拘禁が含まれる。国家には女性の保護と安全を確保するための措置をとることが求められ、女性の自由を脅かさない手段を用いてそれを行うべきである。

70.  例外的に、女性を保護するための留置を伴う一時的な措置を適用することができるが、それは必要な場合であって当該女性によって明示的に要求された場合に限られ、いかなる場合も、司法当局又はその他の権限のある機関による監督に服する[148]。そのような保護措置は、当該女性の意思に反して継続してはならない。女性の釈放は、男性の親族及び/又は保証人の同意を条件として行ってはならない[149]

シェルター、リハビリテーションセンター、医療施設

71.  作業部会は、精神科病院や個人の自由が奪われる可能性のあるその他の施設などの医療環境において、恣意的拘禁が起こり得ることを目にしている[150]

72.  家庭やシェルターは、弱者、特に家庭内暴力に直面している女性や子どもたちに重要な社会的ケアを提供するが、国家は、施設の定期的な監視やコミュニティへの再統合の支援などを通じて、そのような施設の居住者が希望すれば出ていけるよう努めなければならない[151]

73. 作業部会は、社会規範の違反に関連する理由で、リハビリテーションセンター、治療プログラム、精神科病院に女性が拘禁されていることを懸念する[152]。医療制度は、女性の基本的な権利と自由の行使に関連する状況において、女性の自由を奪うための口実として使われることは決してない[153]

74.  作業部会は、実際のまたは認識された障害を理由に女性の自由を奪うことは差別的であり、国際法に反することを改めて指摘する[154]。作業部会は、実際のまたは認識された精神障害に基づく強制入院や、関係者の自由かつ十分な説明・情報に基づく同意を得ることなく、または関係者が法的能力を行使できるようにするための適切な支援を行うことなく精神保健治療を許可する精神保健法に関する情報を受け取っている。このような形態の監禁は、監禁されている人や他の人への危険、及び/又はケアや治療の必要性などの基準を用いて正当化されるが、これは、その人の実際の障害や認識された障害に基づいているため、本質的に差別的である[155]。作業部会は、女性が人権を侵害されて精神科の施設に長期間収容されている事例を懸念する。 場合によっては、彼女らは、「任意入院」におかれているが、治療に対するインフォームド・コンセントがなく、また、いつでも退去できるわけではない。

75.  精神障害を持つ女性の自発的な施設収容は、彼女らの脆弱な立場と、拘禁に異議を唱える能力が低下している可能性が高いことを考慮する必要がある。女性に自分自身または家族の選択による法的支援がない場合、その女性のために弁護人による効果的な法的支援が割り当てられ、継続的な施設収容の必要性は、対審手続の中で、裁判所または適切な独立機関によって、合理的な間隔で定期的に検証され、女性が収容されている施設の専門家の意見に自動的に従うことはない[156]。女性の法定後見人による同意に基づいて拘禁される場合、女性は任命された後見人に対して異議を申し立てることが可能であるべきである[157]。女性は、入院の理由がなくなった場合、釈放される。精神障害を持つ女性の強制的な施設収容と強制的な治療は禁止である[158]

COVID-19と公衆衛生上の緊急事態

76.  作業部会は、COVID-19の大流行に関連してとられる措置による拘禁されている女性に対する具体的影響の考慮を国家が確実にすべきと強調する。妊婦と授乳中の女性は、特に脆弱な存在として扱われるべきである[159]

77.  国家は、すべての拘禁状況における女性の自由剥奪の現存の事例を早急に見直し、拘禁が COVID-19 大流行の状況においてなお必要かつ相当なものとして正当化されるかどうか判断すべきである[160]。その際、国家は、留置に代わるあらゆる手段を検討すべきである。

78.  留置を避けることができない場合、国家は、女性を衛生的な環境で収容し、物理的な距離をとり、保護物品を提供し、症状を示す人を隔離するなど、女性被拘禁者の安全と健康を確保するために必要な保護措置が取られることを確保しなければならない[161]。国家は、拘禁されている女性がCOVID-19の検査とワクチンを受けられるよう確保すべきである。国家は、乳がんや婦人科がんの検診を含む予防医療が、拘禁されている女性に引き続き提供されるよう確保し、安全な場合には再開されるよう確保すべきである。また、拘禁中の女性に対するCOVID-19措置の精神衛生上の悪影響を軽減するための具体的取り組みも実施されるべきである[162]

79.  国家は、隔離や外界との接触の制限を含む拘禁体制の変更が女性に不当な影響を与えないよう確保すべきである。これには、拘禁中の女性が、通常、家族や支援ネットワークによって提供される物品や補助食品を利用することを妨げる措置が含まれる[163]

80.  作業部会は、新たな研究が、ロックダウンの措置とジェンダーに基づく暴力についての報告の大幅な増加とを関連付けていることに留意する[164]。国家は、自由の剥奪に相当する移動の制限を課すいかなるCOVID-19の措置も[165]、女性がジェンダーに基づく暴力から逃れるための措置をとることを抑止、禁止または処罰しないよう確保するべきである。さらに、国家は、COVID-19の流行期間中に、国内のあらゆる場所で、援助、ホットライン、十分な数のシェルターへのアクセスなど、暴力の被害者を支援する対策が整うことを確保するため、積極的な措置をとるべきである。

パートナーや家族の自由が奪われることによる女性への影響

81.  国家は、パートナーや家族の恣意的拘禁により女性が特に影響を受けることを認識すべきである。パートナーや家族の恣意的な拘禁は、女性がさらなる介護責任を負い、地域社会で社会的烙印や差別に直面し、経済的苦難を経験することにつながりうる。

82.  女性は、自分の安全や自由を危険にさらすことなく、拘禁されたパートナーや家族を支援し、正義を求めることができなければならない[166]。彼女らは、不必要な侵襲・屈辱的検査や、レイプのような性暴力を受けることなく、拘禁施設にいる人と面会できるべきである[167]

83.  女性は、パートナーや家族の逮捕・拘禁の際に自由を剥奪されたり、暴力を受けたりするべきではない[168]

84.  女性は、拘禁されたパートナーや家族に自白をさせるために、脅迫、特に性暴力の対象になってはならない[169]

恣意的な自由剥奪の影響

85.  恣意的な自由の剥奪は、女性の人生とその家族に対し、長期にわたる有害な影響を与えうる。これらには、社会的烙印や社会的疎外、精神・身体的健康の悪化、親権の喪失、家族の崩壊、収入の喪失、雇用や住居を得ることの困難などが含まれる[170]

86.  国家は、拘禁されている女性が社会復帰を成功させるために、ジェンダーに応じたリハビリテーション、治療、職業訓練、教育の機会の提供を確保すべきである[171]

[2021年5月12日採択]


[1] 本審議結果では、女性という表現には女性と女児を含む。

[2] See also the United Nations Standard Minimum Rules for the Treatment of Prisoners (the ‘Nelson Mandela Rules’), A/RES/70/175, rules 11 (a), 28, 45 (2), 48 (2), 58 (2), 81; United Nations Standard Minimum Rules for the Administration of Juvenile Justice (the “Beijing Rules”), A/RES/40/33, rule 26.4.

[3] A/HRC/45/16, para. 49.

[4] A/HRC/36/37, para. 46; A/HRC/30/37, annex, para. 8; Deliberation No. 11 on prevention of arbitrary deprivation of liberty in the context of public health emergencies (A/HRC/45/16, annex II), para. 27; Human Rights Committee, general comment No. 35, para. 3.

[5] A/HRC/41/33, para. 16.

[6] It has been estimated that women represent between 2 and 9 per cent of the total prison population worldwide, see A/68/340, para. 1; Roy Walmsley, World Female Imprisonment List (Institute for Criminal Policy Research, 4th edn, 2017), p. 2.

[7] A/HRC/27/48/Add.5, para. 79; A/HRC/19/57, paras. 48–58.

[8] Bangkok Rules, rules 57–63; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, para. 48.

[9] Sixth UN Congress on the Prevention of Crime and the Treatment of Offenders 1980, A/CONF.87/14/Rev.1, Resolution. 9, Specific needs of women prisoners, para. 2.

[10] A/HRC/30/37, annex, paras. 12–15, 67–71.

[11] Bangkok Rules, rules 57–63.

[12] Convention on the Rights of the Child, art. 3 (1); Bangkok Rules, rules 64; UN Guidelines for the Alternative Care of Children, A/RES/64/142, para. 48; Human Rights Council Resolution 10/2, para. 13. See also Nelson Mandela Rules, rule 29.

[13] A/HRC/39/45/Add.1, para. 38; A/HRC/45/16, para. 58.

[14] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 17.

[15] Ibid, para. 17; A/HRC/36/37/Add.2, paras. 28, 30.

[16] A/HRC/36/37/Add.2, para. 28.

[17] A/HRC/39/45/Add.2, paras. 48–50, 60–64, 86(c), 89; A/HRC/41/33, paras. 44, 80(d), 83(d).

[18] Bangkok Rules, rule 58; Opinion No. 75/2017, paras. 58, 63.

[19] International Covenant on Civil and Political Rights, art. 23; International Covenant on Economic, Social and Cultural Rights, art. 10.

[20] Convention on the Rights of the Child, art. 9; A/HRC/20/24, para. 40.

[21] A/HRC/36/38, para. 8 (e).

[22] The Working Group may determine that an individual or group has been deprived of their liberty on the grounds of discrimination on the basis of “any other status”; see, e.g. Opinion No. 45/2016, para. 44.

[23] See, e.g. Opinions No. 33/2020; No. 61/2018; No. 1/2016.

[24] See, e.g. Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, para. 8.

[25] See, e.g. Opinion No. 1/2016, para. 38.

[26] A/HRC/30/37, annex, para. 8; A/HRC/36/37, para. 46.

[27] See, e.g. Opinion No. 61/2018, para. 72.

[28] See, e.g. Opinion No. 1/2016, para. 37.

[29] See, e.g. Opinion No. 24/2015, para. 44.

[30] See, e.g. Opinions No. 19/2020, para. 73; No. 68/2019, para. 115.

[31] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, paras. 21–22.

[32] Ibid, paras. 47, 51 (l).

[33] See infra paras. 66–68.

[34] A/HRC/36/38, para. 8 (a); see Opinion No. 42/2012, para. 29 (even when the arrest and detention of a person is carried out in conformity with national legislation, the Working Group is mandated to ensure that the detention is also consistent with international human rights law); see generally Opinions No. 4/2019, para. 49; No. 69/2019, para. 21; No. 40/2018, para. 45; No. 1/2018, paras. 60, 65; No. 43/2017, para. 34; No. 14/2017, para. 49; Human Rights Committee, General comment No. 35, paras. 11–12.

[35] Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women, art. 2; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, para. 21.

[36] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 28, para. 5.

[37] See, e.g. A/HRC/45/16/Add.2, para. 43.

[38] See, e.g. Opinion No. 61/2018, para. 72.

[39] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, paras. 7, 8, 26.

訳者注:原文では‟The prohibition of non-discrimination”と記載されているが、文意から‟The prohibition of discrimination”を記述しようとしたものと推測され、日本語訳は後者に対応させた。

[40] Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women, art. 2; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 28, paras. 9, 16, 24.

[41] Universal Declaration of Human Rights, arts. 10, 11 (1); International Covenant on Civil and Political Rights, arts. 9, 14; see Opinions No. 74/2020, para. 74 (ill-treatment, including detention in an overcrowded cell, sleep deprivation, lack of clean drinking water and lack of access to a shower); No. 61/2020, para. 84 (physical and psychological suffering); No. 52/2018, para. 79 (j) (overcrowded, unhygienic and inhuman conditions); No. 47/2017, para. 28 (torture, including beatings and rape); No. 29/2017, para. 63 (severe beating and being brought to court on a stretcher); E/CN.4/2004/3/Add.3, para. 33.

[42] Convention against Torture and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment or Punishment, arts. 1 (1), 16 (1). See generally CAT/OP/27/1.

[43] Nelson Mandela Rules, rule 1; Universal Declaration of Human Rights, art. 5; International Covenant on Civil and Political Rights, art. 7; Convention against Torture and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment or Punishment, arts. 2 (1), 16 (1); see generally CAT/OP/27/1; Opinions No. 61/2020, para. 84; No. 33/2020, para. 90; No. 21/2019, para. 44.

[44] Opinions No. 61/2020, para. 82; No. 33/2020, para. 90; No. 31/2019, para. 38; No. 21/2019, para. 29; No. 33/2017, para. 90; No. 1/2016, para. 37. See further, A/68/340, paras. 34–38; CEDAW/C/ETH/CO/8, paras. 55–56; CAT/OP/27/1, para. 25.

[45] A/HRC/42/39/Add.1, paras. 47–50; CAT/OP/27/1, paras. 29, 39.

[46] Nelson Mandela Rules, rule 11 (a); Opinion No. 21/2019, para. 48. See CEDAW/C/ETH/CO/8, paras. 55–56; CAT/OP/27/1, para. 43.

[47] Bangkok Rules, rules 52, 58; UN News, ‘Children separated at border, suffering alarming and prolonged effects: UN rights experts’, 2018, <news.un.org/en/story/2018/10/1023712>.

[48] Nelson Mandela Rules, rules 15–18; Bangkok Rules, rule 5; A/HRC/36/37/Add.1, para. 43; Opinion No. 61/2020, para. 83; A/68/340, para. 42.

[49] Bangkok Rules, rule 5; Opinion No. 57/2017, para. 48; Joint Amicus Curiae Submission by the Working Group on Discrimination against Women and Girls and the Working Group on Arbitrary Detention on the case of Joy Moses & 5 Ors v The Minister, FCT & 13 Ors (Federal High Court of Nigeria), p. 6; A/HRC/22/44/Add.2, para. 96; A/HRC/42/47/Add.1, para. 46; CEDAW/C/MDA/CO/6, paras. 40–41; CAT/OP/27/1, para. 28; AL EGY 16/2020.

[50] Nelson Mandela Rules, rules 15–18; Bangkok Rules, rule 5; A/HRC/36/37/Add.1, para. 43; Opinion No. 61/2020, para. 83; A/68/340, para. 42.

[51] Bangkok Rules, rule 5; Opinion No. 57/2017, para. 48; Joint Amicus Curiae Submission by the Working Group on Discrimination against Women and Girls and the Working Group on Arbitrary Detention on the case of Joy Moses & 5 Ors v The Minister, FCT & 13 Ors (Federal High Court of Nigeria), p. 6; A/HRC/22/44/Add.2, para. 96; A/HRC/42/47/Add.1, para. 46; CEDAW/C/MDA/CO/6, paras. 40–41; CAT/OP/27/1, para. 28; AL EGY 16/2020.

[52] Nelson Mandela Rules, rules 51–52; Bangkok Rules, rules 19–21; Opinion No. 61/2020, para. 83; CEDAW/C/49/D/23/2009, para. 2.7; A/68/340, para. 43; CAT/OP/27/1, para. 27; AL EGY 16/2020.

[53] Opinion No. 61/2020, para. 22; CEDAW/C/BLR/CO/8, para. 44; CEDAW/C/ZWE/CO/6, paras. 45– 46.

[54] A/HRC/39/45/Add.2, para. 66; A/HRC/41/33, paras. 34, 51–53.

[55] A/HRC/39/45/Add.2, paras. 60–64, 89(a), 90(a); A/HRC/41/33, para. 52.

[56] A/HRC/41/33, para. 81 (d).

[57] International Covenant on Civil and Political Rights, art. 14 (3) (d); Human Rights Committee, General comment No. 32, para. 10; A/HRC/30/37, annex, paras. 12–15, 67–61; Opinion No. 57/2012, para. 22.

[58] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, paras. 47 (d), 51 (p).

[59] See, e.g. Opinion No. 10/2010.

[60] A/HRC/36/37/Add.2, paras. 51–53, 93 (a).

[61] A/HRC/36/37/Add.2, para. 93 (a); E/CN.4/2002/77, para. 60 (b) and (c).

[62] A/HRC/39/45/Add.2, paras. 60–64, 89 (a), 90 (a).

[63] Joint Amicus Curiae Submission by the Working Group on Discrimination against Women and Girls and the Working Group on Arbitrary Detention on the case of Joy Moses & 5 Ors v The Minister, FCT & 13 Ors (Federal High Court of Nigeria), p. 8; A/HRC/41/33, para. 36.

[64] Joint Amicus Curiae Submission by the Working Group on Discrimination against Women and Girls and the Working Group on Arbitrary Detention on the case of Joy Moses & 5 Ors v The Minister, FCT & 13 Ors (Federal High Court of Nigeria), para. 12.

[65] Ibid, p. 8.

[66] Ibid, pp. 8–10; A/HRC/39/45/Add.2, paras. 64, 90(a); Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 35, para. 29 (c) (i).

[67] Joint Amicus Curiae Submission by the Working Group on Discrimination against Women and Girls and the Working Group on Arbitrary Detention on the case of Joy Moses & 5 Ors v The Minister, FCT & 13 Ors (Federal High Court of Nigeria), pp.18–19; A/HRC/41/33, para. 80 (c).

[68] A/HRC/41/33, para. 32.

[69] A/HRC/30/36, paras. 57–62.

[70] UNODC, ‘Women and drugs: Drug use, drug supply and their consequences’, 2018, p. 9.

[71] A/68/340, paras. 10–11.

[72] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 33, paras. 47(a) and 51(l); Opinions No. 19/2020, para. 73; No. 68/2019, para. 115.

[73] A/68/340, paras. 13–15.

[74] A/HRC/31/57, para. 42; A/HRC/32/44, para. 79.

[75] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 35, para. 18.

[76] Human Rights Committee, General comment No. 36, para. 8; Committee on Economic, Social and Cultural Rights, General comment No. 22, para. 10.

[77] Committee on Economic, Social and Cultural Rights, General comment No. 22, para. 10; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 35, para. 18; A/HRC/31/57, paras. 14, 43–44.

[78] Opinions No. 19/2020; No. 68/2019; E/C.12/SLV/CO/3-5, para. 22; CEDAW/C/SLAV/CO/8-9, para. 37 (b).

[79] Opinion No. 68/2019, para. 110.

[80] Ibid, para. 114.

[81] Opinion No. 68/2019, paras. 100, 114; OHCHR, ‘Statement by UN High Commissioner for Human Rights Zeid Ra’ad Al Hussein at the end of his mission to El Salvador’, 2017, <www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=22412&LangID=E>.

[82] A/HRC/32/44, para. 80; Opinion No. 68/2019, para. 114.

[83] CCPR/C/SLV/CO/7, para. 16; Opinion No. 68/2019, paras. 86–97.

[84] A/HRC/17/26/Add.2, para. 68.

[85] A/HRC/22/53, para. 46.

[86] Opinion No. 68/2019, para. 102.

[87] Bangkok Rules, rule 24; Nelson Mandela Rules, rule 48 (2); CAT/C/USA/CO/2, para. 33; A/74/137, para. 22.

[88] A/74/137, para. 23; CAT/C/KEN/CO/2, para. 27; WHO/RHR/14.23.

[89] A/HRC/36/37/Add.2, paras. 72–74.

[90] Ibid, para. 94 (b).

[91] CAT/C/KEN/CO/2, para. 27; CAT/C/NAM/CO/2, paras. 34–35.

[92] Opinions No. 14/2017; No. 25/2009; No. 42/2008; No. 22/2006; No. 7/2002; CCPR/C/50/D/488/1992.

[93] A/HRC/29/23, paras. 15, 44.

[94] CCPR/C/50/D/488/1992; A/HRC/45/16/Add.2, para. 45; Opinion No. 14/2017, para. 47.

[95] A/HRC/36/38, para. 8(b) and (e); Opinion No. 14/2017, para. 50.

[96] A/HRC/36/38, para. 8(a); Opinion No. 14/2017, para. 49. See generally International Commission of Jurists, Yogyakarta Principles – Principles on the application of international human rights law in relation to sexual orientation and gender identity (2007), principles 7–10.

[97] A/HRC/29/23, para. 44.

[98] Opinion No. 7/2002, para. 28; A/HRC/19/41, para. 47.

[99] A/HRC/45/16/Add.2. para. 45; A/HRC/29/23, para. 15.

[100] A/HRC/22/53, para. 88; A/HRC/40/60, para. 54.

[101] A/HRC/41/33, para. 35.

[102] See, e.g. CAT/OP/C/57/4, paras. 60–67; A/HRC/31/57, para. 13.

[103] A/HRC/29/23, paras. 34–38; A/HRC/31/57, para. 35; CAT/C/CRI/CO/2, para. 11; CEDAW/C/MOZ/CO/3-5, paras. 41(c), 42(e); A/HRC/19/41, para. 35.

[104] See, e.g. Opinion No. 25/2009, paras. 28, 31.

[105] Bangkok Rules, rules 40–42; A/HRC/31/57, para. 70(a); A/HRC/45/16/Add.1, para. 52.

[106] CAT/OP/C/57/4, para. 76; A/HRC/17/26/Add.2, para. 29.

[107] Nelson Mandela Rules, rule 7 (a); A/HRC/31/57, para. 70(s); CAT/OP/C/57/4, para. 76.

[108] Human Rights Committee, General comment No. 31, para. 10; Human Rights Committee, General comment No. 35, para. 3.

[109] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 12; OHCHR, ‘Recommended Principles and Guidelines on Human Rights at International Borders’, Guideline 8.1.

[110] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 14.

[111] A/HRC/36/37/Add.2, para. 29.

[112] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 16; Human Rights Committee, General comment no. 35, para. 45; Opinion No. 2/2019. para. 79.

[113] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 41; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 32, para. 34; A/HRC/20/24, paras. 36, 49.

[114] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 40; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 32, para. 49.

[115] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 40; principle 21, para. 46; Opinion No. 2/2019, para. 105.

[116] A/HRC/36/37/Add.2, paras. 43–46, 92 (j).

[117] A/HRC/36/38, para. 8(d).

[118] Bangkok Rules, rule 1; A/HRC/20/24, para. 37; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 32, para. 34.

[119] Revised deliberation No. 5 on deprivation of liberty of migrants (A/HRC/39/45, annex), para. 42; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 32, para. 34.

[120] International Covenant on Civil and Political Rights, art. 26; Opinion No. 45/2016, para. 44. See also UNGA Res 53/144 (adopting the Declaration on Human Rights Defenders) and UNGA Res 68/181.

[121] See, e.g. Opinions No. 33/2020, paras. 4–5, 11 (women’s rights activist, charged, among other things, with “participating in demanding women’s rights”); No. 14/2020, para. 4 (arbitrary detention of a women’s rights advocate); No. 57/2017, para. 4 (arbitrary detention of an activist for women’s and LGBTIQ+ rights); No. 48/2017, paras. 4, 47 (woman human rights defender verbally attacked by the judge for her beliefs in feminism and human rights); No. 1/2016, para. 4 (activist for the rights of Kurdish women); For targeting of girl human rights defenders, see, e.g. A/HRC/40/60, paras. 59–60; UA ISR 1/2018.

[122] See, e.g. Opinions No. 9/2019 (9 year sentence for peaceful advocacy and activism); No. 83/2018 (7 year sentence for, among other things, social media posts and participation in peaceful assemblies); No. 61/2018 (arrested for working to investigate extrajudicial killings in the Philippines); No. 75/2017 (9 year sentence for posting information on the Internet critical of government policies on human rights issues); No. 57/2017 (arrested for social media posts); No. 1/2016 (Kurdish women’s rights activist sentenced to life imprisonment).

[123] See A/HRC/40/60, para. 35.

[124] Opinions No. 61/2018, para. 71; No. 75/2017, para. 55; No. 48/2017, para. 49.

[125] Opinions No. 61/2018, para. 72; No. 50/2017, para. 7.

[126] Opinions No. 33/2020, para. 90; No. 78/2017, para. 39; No. 1/2016, paras. 37, 40, 42.

[127] Opinion No. 1/2016, para. 42.

[128] Opinion No. 57/2017, paras. 14, 68. See also A/HRC/40/60, paras. 54–55; CAT/C/KAZ/CO/3, para. 19.

[129] See, e.g. regarding threats to release altered images showing sexual activity: Opinions No. 61/2018, paras. 13–14, 29; No. 1/2016, para. 6. See generally A/HRC/40/60, paras. 37–39.

[130] See UNGA Res 68/181, para. 8.

[131] Opinions No. 24/2019; No. 61/2018; No. 50/2017; No. 24/2015. See also A/68/340, para. 28. For a description of some of the ways that women are involved in political life, see A/73/301, para. 10.

[132] Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women, art. 7 specifically requires States Parties to take appropriate measures to eliminate discrimination against women in

political and public life.

[133] See Human Rights Committee, General comment No. 34, para. 38.

[134] See, e.g. Opinion No. 38/2020, para. 36 referring to A/HRC/30/37, annex, para. 47. See also Human Rights Committee, General comment No. 35, para. 5; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 35, paras. 24–26; A/HRC/41/33, para. 10.

[135] See A/HRC/30/37, para. 9.

[136] Human Rights Committee, General comment No. 31, paras. 8, 15, 18; Human Rights Committee, General comment No. 35, para. 7; A/HRC/45/16/Add.2, paras. 79–84.

[137] See, e.g. A/HRC/45/16/Add.2, paras. 80, 82, 84; AL SAU 4/2019.

[138] A/HRC/45/16/Add.2, paras. 81–84; A/HRC/44/57/Add.1, para. 29; International Labour Organization, ‘Intertwined: A study of employers of migrant domestic workers in Lebanon’, 2016, pp. 33–35.

[139] A/HRC/45/16/Add.2, para. 81.

[140] See, e.g. Universal Declaration of Human Rights, arts. 4, 5, 13; International Covenant on Civil and Political Rights, arts. 7, 8, 12. See further, OHCHR, ‘Abolishing Slavery and its Contemporary Forms’, 2002, pp. 3–9.

[141] Human Rights Committee, General comment No. 35, para. 8; International Law Commission, Responsibility of States for Internationally Wrongful Acts, ch II.

[142] A/HRC/41/33, para. 31; A/HRC/45/16/Add.2, para. 43. The emerging criminalisation of women participating in social media is also of concern, see AL EGY 12/2020.

[143] Universal Declaration of Human Rights, art. 11 (2); International Covenant on Civil and Political Rights, arts. 9 (1), 15 (1); see, e.g. United Nations Assistance Mission in Afghanistan, ‘In Search of Justice for Crimes of Violence Against Women and Girls’, 2020, p. 13.

[144] Committee on the Elimination of Discrimination against Women, General recommendation No. 35, para. 29 (c)–(d).

[145] Universal Declaration of Human Rights, art. 11 (1); International Covenant on Civil and Political Rights, art. 14 (2).

[146] A/68/340, paras. 16–18; CEDAW/C/BLR/CO/8, para. 26.

[147] A/HRC/27/48, paras. 78–79; A/HRC/31/57, para. 24; E/CN.4/2003/75, paras. 90–91; E/CN.4/2003/8, para. 65; A/HRC/41/33, para. 45; CEDAW/C/JOR/CO/6, paras. 33–34.

[148] International Covenant on Civil and Political Rights, art. 9 (1) and (4); Bangkok Rules, rule 59.

[149] A/HRC/20/16/Add.1, para. 28; CEDAW/C/SAU/CO/3-4, paras. 61–62; AL SAU 4/2019.

[150] Opinion No. 70/2018, para. 37.

[151] A/HRC/42/39/Add.1, paras. 81, 88, 94 (b); A/HRC/39/45/Add.2, para. 89 (b).

[152] CEDAW/C/KWT/CO/3-4, para. 42; A/HRC/41/33, para. 47; A/68/340, para. 22.

[153] See, e.g. Opinion No. 57/2017, para. 68. See also A/HRC/40/60, paras. 54–55; CEDAW/C/BLR/CO/8, paras. 16–17.

[154] Convention on the Rights of Persons with Disabilities, art. 14; A/HRC/36/37/Add.1, paras. 36–37; A/HRC/30/37, annex, para. 103.

[155] A/HRC/36/37/Add.2, para. 75.

[156] A/HRC/36/37/Add.2, para. 76; A/HRC/30/37, annex, para. 105; Opinion No. 70/2018, para. 49.

[157] Opinion No. 70/2018, paras. 46–48. See Convention on the Rights of Persons with Disabilities, art. 12.

[158] A/HRC/30/37, annex, para. 103.

[159] Deliberation No. 11 on prevention of arbitrary deprivation of liberty in the context of public health emergencies (A/HRC/45/16, annex II), para. 15.

[160] Ibid, para. 13; Committee on the Elimination of Discrimination against Women, ‘Guidance Note on CEDAW and COVID-19’, para. 7, <tbinternet.ohchr.org/_layouts/15/treatybodyexternal/Download.aspx?symbolno=INT/CEDAW/STA/

9156&Lang=en>.

[161] UA USA 34/2020.

[162] OHCHR, ‘Leading human rights experts call for overdue implementation of the UN Bangkok Rules a decade after they were adopted’, 2020, <www.ohchr.org/Documents/Issues/Women/SR/BangkokRules-leaders-statement_EN.pdf >.

[163] Ibid.

[164] UN Women, ‘From insights to action: Gender equality in the wake of COVID-19’, p. 10; European Commission, ‘2021 report on gender equality in the EU’, pp. 4–6.

[165] The Working Group has previously noted that mandatory quarantine in a given premise, including in a person’s own residence that the quarantined person may not leave for any reason, is a measure of de facto deprivation of liberty, see Deliberation No. 11 on prevention of arbitrary deprivation of liberty

in the context of public health emergencies (A/HRC/45/16, annex II), para. 8.

[166] See, e.g. Opinion No. 21/2019, para. 17 (10 women and 3 girls were arbitrarily detained and tortured for peacefully demonstrating against the detention of political opponents, some of whom were their relatives).

[167] See, e.g. Opinion No. 73/2019, para. 95. See also A/HRC/22/44/Add.2, para. 72; A/HRC/31/57/Add.4, paras. 37–41. Such searches are likely to be contrary to Nelson Mandela Rules, rules 52 and 60.

[168] Opinions No. 31/2019, paras. 8–9, 38 (woman detained and tortured after refusing to become an informant in exchange for the release of her son); No. 18/2011, paras. 4, 5, 19 (arrest and detention of wife and close family members to induce detainee’s surrender and as reprisals for demanding a fair trial and basic human rights).

[169] Opinions No. 33/2017, paras. 90–91 (threats made during interrogation to rape mothers and sisters of detainees); No. 29/2016, para. 20 (threat of rape of family members); No. 14/2016, paras. 10, 12, 13 (threat to arrest family members and place children in social care).

[170] See, A/68/340, paras. 66–80.

[171] See among others, Bangkok Rules, rule 46.


審議結果(deliberations)とは

国連恣意的拘禁作業部会は、その決定に一貫性を持たせるため、また、各国が恣意的となるような自由の剥奪をするのを未然に防ぐために、「審議結果」を策定して、自由の剥奪が恣意的となる基準を示しています。

[2022/3/4投稿]