Q. 恣意的拘禁ネットワーク(NAAD)を設立した理由を教えてください

A.
身体の自由はもっとも重要な基本的人権の一つであり、恣意的拘禁の禁止は、世界人権宣言第9条、市民的及び政治的権利に関する国際規約第9条に明記されています。しかしながら日本では、分野を問わず、身体拘束が安易になされる現状にあります。これまで、刑事、入管、精神医療それぞれの分野でこの状況を改善すべく努力してきましたが、これら各分野の取組みを超えて、分野を横断して恣意的拘禁の禁止に取り組むべく、2020年1月、私たちは恣意的拘禁ネットワーク(NAAD: Network against Arbitrary Detention)を結成しました。

Q. NAADはどのような活動をするのですか?

A.
日本では「恣意的拘禁」という言葉自体、つい最近までほとんど知られていませんでした。まずは身体の自由という人権の重要性、「恣意的拘禁の禁止」というルールを社会に広めることが必要だと思っています。そのために、日本に向けての提言活動や広報活動、国際機関に対する情報提供、各種調査活動を行います。

Q. ロゴマークにどんな意味があるのですか

A.
恣意的拘禁を示す「檻」を、刑事分野、入管分野、精神科医療の3つの分野(3本の芽)が協力して打ち破っていこうというメッセージが込められています。


構成団体

NPO法人 ヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now/HRN)

https://hrn.or.jp/

日本を本拠とする、日本で初めての国際人権NGO。世界で今も続く深刻な人権侵害をなくすため、法律家、研究者、ジャーナリスト、市民など、人権分野のプロフェッショナルたちが中心となり、2006年に発足。

NPO法人 監獄人権センター(Center for Prisoners’ Rights/CPR)

http://cpr.jca.apc.org/

刑事拘禁施設の人権状況を国際水準に合致するよう改善していくこと、死刑制度を廃止すること等を目的として、1995年3月に弁護士を中心に結成。声明、意見、調査報告などをウェブサイト、Twitterにて発表中。

医療扶助・人権ネットワーク(Japanese Lawyers and Citizens Network for the Medical Aid of Welfare and Human Rights)

https://www.facebook.com/iryofujo

2012年12月に弁護士、司法書士が中心になり結成。精神科医療における人権状況改善のため、当事者の訴えをもとに事実を調査し、関係機関への適切な措置の実施を求めてきた。

全国難民弁護団連絡会議(Japan Lawyers Network for Refugees/JLNR)

http://www.jlnr.jp/

1997年に設立された弁護士のネットワーク団体。適正かつ迅速な難民認定、申請者の地位の保障並びに難民認定者及び人道配慮者の地位の保障のため、個別の難民支援及び政策に対する提言等の必要な諸活動を行うことを目的とする。

沖縄国際人権法研究会(All Okinawa Council for Human Rights/AOCHR)

http://okinawahumanrights.blogspot.com/

沖縄の諸問題を国際人権法の観点から検証し、人権問題として国際社会に訴えていくことを目的に、2016年に研究者、ジャーナリスト、市民が中心となって結成。国連人権システムへの報告を継続的に行なっている。

入管問題調査会(Immigration Review Task Force/IRTF)

https://www.facebook.com/nyukanmondaichousakai/

入管収容場内で起きた入管職員の被収容者に対する暴行事件を契機に1994年に発足。2001年に来日したアフガニスタン難民が次々と収容された際は救出のために尽力した。隔月の公開定例会では入管問題について意見交換や広報活動を行っている。

(2021年2月7日現在)

恣意的拘禁ネットワーク代表 海渡雄一(弁護士)