2023年4月21日に公表された、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会、移住者の人権に関する特別報告者、宗教または信条の自由に関する特別報告者が日本政府に宛てた、2023年4月に審議中の入管法改定案に対して、国際人権法違反を指摘する共同書簡を受けて、恣意的拘禁ネットワークを含むNGO4団体が共同プレスリリースを発表しました。


共同プレスリリース

国連特別手続の専門家らが日本政府に対し、国会審議中の入管法の国際人権法違反を懸念。徹底的な見直しと情報提供を呼びかける。

ー国際人権法上の義務と日本の誓約に沿った対応が求められる。

 2023年4月25日、日本・東京 – 2023年3月7日、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)の一部を改正する法律案(以下、2023年法案)が閣議決定され、政府案として第211回国会(常会)へ提出されました[1]。2021年の同法の改正案(以下、2021年法案)[2]の廃案から約2年ぶりのことです。2023年法案は、同年4月13日に衆議院本会議で審議が開始され、4月19日及び4月21日に衆議院法務委員会で審議が行われたところですが、4月18日(ジュネーブ時間)に国連人権理事会の専門家らは日本政府に対して共同書簡を送り、2023年法案が国際法、特に市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)に違反する恐れがあると指摘していることが、4月21日(ジュネーブ/日本時間)に判明しました[3]。専門家らは、収容の例外的使用の無担保、収容の判断にかかる司法審査の欠如、無期限の収容期間、ノン・ルフールマン原則違反、新設された非拘禁的な措置(「監理措置」)における権利侵害や搾取のリスク、子どもの権利の保障などの点から2023年法案への懸念を表明し、懸念点について日本政府へ対話を求めました。私たちは、本書簡で提起された懸念を強く支持します。そして、2023年法案がすでに審議中であるという緊急事態に鑑み、日本政府による可及的速やかな対応と、全ての国会議員に対し、本書簡の対応にかかる最大限のコミットメントを求めます。

【概要】

 本書簡は、国連の恣意的拘禁作業部会、移住者の人権に関する特別報告者、宗教または信条の自由に関する特別報告者から日本政府へ送られました。入管法の改正案について、国連の特別手続を通じて日本政府に書簡が送られたのは、2021年に続き、これが2度目です。2021年当時、同年3月31日付の書簡において2021年法案が国際人権基準を下回るものであるとして深刻な懸念が示され[4]、日本政府は同年6月17日に同法案の見送りを報告しました[5]。今回2023年の書簡では、2023年法案は2021年法案に一部修正が加えられていることを認めつつも、2021年の書簡において提案された事項については基本的に変更されておらず、依然として国際基準に合致していないとして、国内法制を国際人権法の下での日本の義務に沿うものにするため、改正案を徹底的に見直すことを求めています。そして、日本政府に対し、書簡で言及された懸念についてさらなる情報提供を求め、すべての移住者、庇護希望者及び難民の人権の保護の強化に向けて必要な協力を行いたい旨を述べています。

【共同書簡の内容】

特に、専門家が懸念を表明しているのは以下の点です。

  1. 原則収容主義の維持 

 2023年法案においても、監理措置が適用されない限り常に収容が優先する点、監理措置を適用するか収容されるかは入管(主任審査官)の裁量によるという点について、身体の自由を原則とし、収容は最後の手段でなければならないとする自由権規約9条、世界人権宣言9条に違反しうることを指摘。2023年法案が依然として収容を前提とした制度であることに特に懸念を表明。

  1. 新設された収容代替措置の問題

 2023年法案は、収容しない場合に在宅で手続きを進めることを認める措置として、監理人の「監理措置」の新設を維持。2021年法案と比べ、①300万円以下の保証金の納付が必須条件ではなくなったものの、入管(主任審査官)が必要と考えれば課すことができること、②監理人の報告義務が軽減されたように見えるものの、主任審査官が必要と考えれば義務づけることができることや、③監理人が報告義務に違反すれば、2021年法案と同じく罰金を科すことができること、④監理人と被監理者双方のプライバシーの権利を侵害すること等から、監理措置を利用するのは、現実的には困難であり、搾取のリスクを伴うとして懸念を表明。収容代替措置においても、移住者の人権の保護が目指されるべきと強調。

 「重要なことは、そもそも収容を正当化する理由がない場合には、収容代替措置が適用されてはいけないということです。そのような場合、移民は釈放されるべきです。」と述べ、収容が必要でない場合は、収容か監理措置かの判断の対象ですらないと指摘。

  1. 司法審査の欠如

 依然として、入管施設での収容について司法審査がない点について懸念を表明。2023年法案では、3か月毎に入管(主任審査官)が監理措置の必要性を検討するとしているが、「出入国管理手続における収容を含むあらゆる形態の拘禁は、裁判官その他の司法当局によって命じられ、承認されなければならない」として、これは司法審査に当たらないと指摘。

  1. 無期限収容

 依然として、収容期間の上限について定めがないこと、無期限収容となる可能性があることについて、懸念を表明。出入国手続きにおける無期限収容は恣意的拘禁にあたり、自由権規約に反することや、収容の期間の上限は法律によって規定されなければならないとも指摘。

  1. 子どもの収容に関する問題

 依然として、子どもの収容を禁止する規定が、存在しないこと等に遺憾を表明。

  1. 難民申請者への送還停止効の解除の問題

 依然として、難民申請を3回以上している者、日本で3年以上の拘禁刑を受けた者、暴力・破壊活動に関与・助長した可能性があると疑われる者について、送還停止効が解除されることは、送還後に生命や権利が脅かされる可能性があり、拷問等禁止条約3条、強制失踪条約16条、自由権規約7条が保障するノン・ルフールマン原則を損なうことを強く懸念。

 「送還前に状況や保護の必要生の個別評価を明確に求める適切な手続き上の保護措置がない場合には、前述のカテゴリーに含まれる難民申請者の送還停止効を解除する法案が、国際人権法及びノン・ルフールマン原則を損ないます。」として、今回の法案の送還停止効が国際法違反となることを指摘。

【日本に求められること】

 作業部会および特別報告者は、国連人権理事会(日本は一貫して理事国を務めています)によって任命され、人権理事会の主たる機能のうちの一つである、人権問題に関する世論喚起、人権状況の改善を達成するため、人権理事会によって与えられたマンデートにより特別手続の遂行にあたっています。特別手続の対象は、個人に対する人権侵害から、各国の法律や政策まで多岐に渡ります。今回の共同書簡の送付もそのマンデートの一環としてなされたものです。

岸田文雄首相は、2022年9月20日の第77回国連総会において「国際社会における法の支配を推進する国連の実現」へのコミットメントを表明しました[6]。2023年3月3日に行われた、第52回人権理事会ハイレベルセグメントでは、中谷元総理補佐官は「日本は、国際及び国内の人権の保護と促進に主導的役割を果たす」と述べています[7]。また、日本は2019年に続き、2023年の人権理事会理事国選挙への立候補を表明しています。人権理事会立候補に当たっては、日本は、自発的誓約として、人権高等弁務官事務所(OHCHR)及び特別手続との有意義で建設的な対話を非常に重視しており、日本は、引き続き協力を提供していく予定であると繰り返し述べています[8]

 今回の書簡の最後には、「非正規移民への対応を目的としたものを含むあらゆる移民に関するガバナンスの措置が、移民の人権と尊厳の享受に悪影響を及ぼしてはならないことを改めて表明します。人権は、国籍、年齢、性別、在留状況、その他の属性に関わらず、すべての移住者を含むすべての人に適用されます。出入国管理に関連するすべての主要な国際人権条約に基づく国家の義務は、移民への対処のあらゆる段階において中心的なものとなるようにすることを要求しています。」と述べられています。基本的人権は「配慮」するものではなく、あらゆる法制度の「中心」に据えられるべきものです。包摂すべき人とそうでない人がいるものでもありません。

 書簡に示された多くの懸念点は、2023年法案の骨格に関わるものです。また、法的な視点から述べられたものであり、運用上の対応を求めているものではありません。私たちは、日本が基本的人権を普遍的価値として尊重する上で、2023年法案の抜本的な見直しが必須と考えます。すなわち、早急な国会審議ではなく、特別手続きを含む、国内外のステークホルダーとの丁寧な議論を何よりも優先させ、本共同書簡においても求められているとおり、国際人権法の下での日本の義務に沿うものにするため、改正案を徹底的に見直すことを強く求めます。

以上


[1]  出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案(閣法)、2023 年 3 月 17日: http://www.moj.go.jp/isa/laws/bill/index.html より入手可能。

[2] 同上。

[3] 共同書簡(資料番号:OL JPN 1/2023)、2023年4月18日:原文 https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=27995/日本語仮訳 https://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2023/04/OL_JPN_1_2023_japanese-1.pdf

[4] 共同書簡(資料番号:OL JPN 3/2021)、2021年3月31日:原文  https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=26325/日本語仮訳  http://www.jlnr.jp/jlnr/wp-content/uploads/2021/04/joint_letter_20210331_japanese.pdf

[5] 在ジュネーブ国際機関日本政府代表部回答、2021年6月17日:原文 https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadFile?gId=36354/日本語一部訳 https://www.moj.go.jp/isa/content/001350894.pdf

[6] 第77回国連総会における岸田総理大臣一般討論演説、2022年9月20日:https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/unp_a/page3_003441.htmlより入手可能。

[7] ​第52回人権理事会ハイレベルセグメントにおける中谷総理補佐官ステートメント​、2023年3月3日:https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_004031.htmlより入手可能。

[8] 世界の人権保護促進への日本の参画、2016年7月15日:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000175307.pdf人権に関するコミットメントと誓約、2019年1月(原題:Japan’s Human Rights Commitments and Pledges) https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000175306.pdf(英語のみ)を参照。


Joint Press Release for Immediate Release

UN Experts Expressed Concerns to the Government of Japan on the Special Procedures about Violations of International Human Rights Law in the Bill to Amend the Immigration and Refugee Recognition Act Currently under Deliberation in the Diet. The Experts Called for a Thorough Review and Further Information.

ー Response must be in line with Japan’s Obligations under International Human Rights Law and their Pledges.

Tokyo, Japan, 25 April 2023 – On 7 March 2023, a bill to partially amend the Immigration Control and Refugee Recognition Act (hereinafter referred to as the “2023 Bill”) was approved by the Japanese Cabinet and submitted to the 211th session of the Diet (regular session)[1]. It has been almost two years after the withdrawal of their previous bill (hereinafter referred to as the “2021 Bill”)[2] . While deliberations on the 2023 bill started off in the plenary session of the House of Representatives on 13 April 2023, and the Committee on Judicial Affairs in the House of Representatives just had discussed about the bill on 19 and 21 April, on 21 April 2023(Geneva and Japan time), it was found that experts of the UN Human Rights Council sent a joint letter to the Government of Japan on April 18 2023 (Geneva time), which alleged that the 2023 bill would violate international law and the International Covenant on Civil and Political Rights (ICCPR) in particular[3]. The experts expressed concerns about the 2023 Bill in terms of remaining presumption of detention, lack of judicial review of detention, indefinite detention, violation of the non-refoulement principle, negative impact on the enjoyment of human rights and a risk of exploitation under  the newly established non-custodial measures (“monitoring measure”), and protection of rights of the child, and called for dialogue with the Government of Japan regarding their concerns. We strongly support the concerns raised in the letter and call for an immediate response by the Government of Japan and the greatest commitments by all parliamentarians to address this letter in light of the urgent situation where the 2023 Bill is already under discussion in the Diet.

Overview of the letter or 2023

The letter was issued by the UN Working Group on Arbitrary Detention(WGAD), the Special Rapporteur on the human rights of migrants, and the Special Rapporteur on freedom of religion or belief. This is the second time for the Government of Japan to receive a letter regarding a bill to amend the ICRRA on the special procedures since 2021. In 2021, the letter was sent on March 31, expressing serious concern that the 2021 Bill fell short of international human rights standards[4], and the Government of Japan reported back on June 17 that they withdrew the 2021 Bill[5]. ​​In the letter of 2023, the WGAD and Special Rapporteurs urged the Government of Japan to thoroughly review the 2023 Bill to bring domestic legislation in line with Japan’s obligations under international human rights law, despite some modifications to the 2021 Bill, as proposed provisions questioned in the letter of 2021 remain fundamentally unchanged and would still fall short of international human rights standards. They requested further information from the Government of Japan regarding the concerns mentioned in the letter and stated that they stand ready to cooperate with the Government of Japan to enhance the protection of the human rights of all migrants, asylum seekers and refugees in Japan.

Concerns raised in the letter of 2023

Particularly, the experts expressed concerns about the following points:

  1. Maintaining a system based on a presumption of detention 

It was concerned that detention would still prevail whenever a “monitoring measure” is not applied and that the decision to apply such measures or to be detained is at ​​the discretion of an immigration officer(the supervising immigration inspector), under the 2023 Bill. They stressed that such a structure could violate Article 9 of the ICCPR and Article 9 of the Universal Declaration of Human Rights, which identifies personal liberty as the principle and detention as a measure of last resort. They expressed particular concern that the 2023 Bill is still based on the presumption of detention.

  1. Problems caused by the newly introduced non-custodial measure
    The 2023 Bill maintains the introduction of  a new alternative to immigration detention, the “monitoring measure”  in which an individual is allowed to undergo proceedings from their place of residence under the supervision of a monitor. The experts noted that (1) the payment of a deposit of not more than three million yen would, in principle, no longer be a requirement to apply a monitoring measure, however this deposit could still be imposed by the immigration officer(the supervising immigration inspector), when they find it necessary; (2) although reporting obligation of the designated “monitor” appears to be reduced as compared to the 2021 Bill, it can still be imposed if the immigration official(the supervising immigration inspector) requests so; (3) a fine would still be applicable in case the monitor violates their reporting obligations as in the 2021 Bill; (4) “monitoring measures” could negatively impact on the enjoyment of the right to privacy for both migrants and their monitors. They observed that the application of “monitoring measure” could be particularly challenging and raised concerns that it even could entail a risk of exploitation. They stressed that States are required to provide non-custodial alternatives to detention that fully protect the human rights of migrants.
    The experts stated “Importantly, alternatives to detention must not be provided when there is no justification for detention in the first place.Importantly, alternatives to incarceration should not be applied when there is no justification for the incarceration in the first place. In such cases, the immigrant should be released.”, which means that if detention is not necessary, the individual is neither subject to detention nor even subject to “monitoring measure”.

  2. Lack of judicial review 

The experts expressed concern that the 2023 Bill does not foresee any judicial review of immigration detention. They stressed that the 2023 Bill states that every three months the immigration official (the supervising immigration inspector) will review the need for detention, however, this does not constitute judicial review. They recalled that international standards require that “any form of detention, including detention in the course of migration proceedings, must be ordered and approved by a judge or other judicial authority”.

  1. Indifenete detention 

The experts stressed that the 2023 Bill does not provide for a maximum period of detention and it induced prolonged detention, and that the indefinite detention of individuals during migration proceedings is considered arbitrary, which constitutes violations of the ICCPR. They urged the Government of Japan to define a maximum detention period in law.

  1. Immigration detention of a child 

The experts emphasized concern that the 2023 Bill still does not include an explicit prohibition of immigration detention of children.

  1. Concerns on lifting of suspension of the deportation procedure for some of those who have applied for refugee recognition

The experts expressed a serious concern that the 2023 bill allows the automatic suspension of the deportation procedure to be lifted for individuals who have applied for refugee recognition for a third time or more, individuals who have been sentenced to three years or more of imprisonment in Japan and those suspected for having possibly been involved in or facilitated violent, subversive or other activities. They stressed that this could be a threat to their lives or rights, and would not be in line with the principle of non-refoulement codified in article 3 of the Convention against Torture and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment or Punishment (CAT); article 16 of the International Convention for the Protection of All Persons from Enforced Disappearances; article 7 of the ICCPR.
They stated “the absence of appropriate procedural safeguards that explicitly require individual assessment on the circumstances and protection needs prior to deportation, legislative proposals lifting automatic suspension of deportation procedures for asylum seekers of the above-mentioned categories would undermine international human rights law and the principle of non-refoulement.”, which led to a clear conclusion that proposed lifting of suspension of the deportation procedure in the 2023 Bill would violate international law.

Actions the Government of Japan must take

The WGAD and Special Rapporteurs are appointed by the UN Human Rights Council (Japan has served as member for a long time) to conduct special procedures under the mandates given by the Human Rights Council to achieve one of the Council’s main functions: to raise public awareness on human rights issues and to improve the human rights situation around the world. The Special Procedures cover a wide range of issues, from human rights violations against individuals to the laws and policies of each country. The joint letter to the Government of Japan in 2023 is also part of their mandates.

Prime Minister Fumio Kishida stressed Japan’s commitment to the realization of a UN that promotes the rule of law in the international community, at the 77th session of the UN General Assembly on 20 September 2022[6]; Special Advisor to the Prime Minister Gen Nakatani stated that Japan will continue to play a leading role in the protection and promotion of international and domestic human rights at the 52nd High-Level Segment of the Human Rights Council held on 3 March 2023[7]. In addition, the Government of Japan has announced that they would run for election to the Human Rights Council in 2023, following in 2019. In a series of elections at the Human Rights Council, Japan have made the voluntary pledges, which have promised that Japan would attach great importance to meaningful and constructive dialogues with the Office of the High Commissioner for Human Rights (OHCHR) and the Special Procedures, to which Japan would continue to offer its cooperation[8].

The letter concludes by stating, “We reiterate that any migration governance measures, including those aimed at addressing irregular migration, shall not adversely affect the enjoyment of the human rights and dignity of migrants. Human rights apply to everyone, including all migrants notwithstanding their nationality, age, gender, migratory status, or other attribute. States’ obligations under all the core international human rights treaties relating to their migration governance measures require that human rights be at the centre of their efforts to address migration in all its phases —”. Fundamental human rights are not to be “taken into account” but should be placed at the “center” of any system. There is no one who should be an exception.

Many concerns expressed in the letter of 2023 pertain to the backbone of the 2023 Bill. They are also stated from a legal perspective and would not be responded by changes to the operation of the 2023 Bill. We believe that a fundamental review of the 2023 Bill is essential to ensure that Japan respects the universal value of fundamental human rights. In sum, we urge the Government of Japan to prioritize substantive communications and consultations with various stakeholders, including the special procedures, rather than a hasty debate on the 2023 Bill at the current 211th session of the Diet, and to thoroughly review the amendment to the ICRRA to ensure that they are in line with Japan’s obligations under international human rights law, as called for in the letter of 2023 in connection to the letter of 2021.


[1] Immigration Control and Refugee Recognition Act (ICRRA) Cabinet Bill, 19 February 2021: available at http://www.moj.go.jp/isa/laws/bill/index.html.

[2] Same as above.

[3] OL JPN 1/2023, 18 April 2023: availble at https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=27995.

[4] OL JPN 3/2021, 31 March 2021: available at  https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=26325.

[5] See for more details, Permanent Mission of Japan, 17 June 2021: available at https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadFile?gId=36354.

[6]  See for more details, Address by Prime Minister Fumio Kishida at the 77th Session of the UN General Assembly, 20 September 2022: available at https://www.mofa.go.jp/fp/unp_a/page3e_001242.html.

[7] See for more details, Statement by Mr. Gen Nakatani, Special Advisor to the Prime Minister, at the High-Level Segment of the 52nd Session of the Human Rights Council, 3 March 2023: available at https://www.mofa.go.jp/fp/hr_ha/page22e_001027.html.

[8] See example, Government of Japan, Commitments and pledges pursuant to General Assembly resolution 60/251, 15 July 2016 available at https://documents-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N16/227/93/PDF/N1622793.pdf?OpenElement. Also see Government of Japan, Voluntary pledges and commitments pursuant to General Assembly resolution 60/251, January 2019: available at https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000175306.pdf.